ゼロからのワイナリー&レストラン事業 File#85 で紹介した『里山ビジネス』の玉村豊男氏著が書かれた本を紹介します。


邱永漢の「予見力」 (集英社新書 514A)邱永漢の「予見力」 (集英社新書 514A)
著者:玉村 豊男
集英社(2009-10-16)
販売元:Amazon.co.jp
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■目次■
はじめに 第一章 波の向こうの流れを見る 第二章 アジアの農業の新しい地図を描く 第三章 中国人の和牛牧場 第四章 タバコ工場のワイナリー 第五章 フロンティアは西へ 第六章 邱永漢の目のつけどころ 第七章 十年後の中国と世界はどうなっているか あとがきに代えて−−−−八十五歳の誕生日会

■今日の付箋■
海のそばに住んでいると、波しか見えないでしょ。すぐ目の前にある、波ばかりが目につく。それっ、大波が来た、こんどは小波だ。そんなことばかりが気になって、潮の流れが目につかない。目先の大波小波に目を奪われて、どこに魚がいるかわからなくなるのです。
邱永漢氏は証券会社の人は相場を見過ぎていて、正確な情報がつかめなくってなしまうという。現象にとらわれて、本質を見ようとしない。動いているものを見るのでなく、動かしているものを見る。そして迅速に動く。潮の流れが日常のことであれば、津波のような非日常的なことでも同じことが言えるのでしょう。

■今日の付箋2■
それまでじっとおとなしく前任者の方針を受け継いでやってきた人でもね、やはり、自分だって前の人とは違うんだということを、どこかで示したくなるものなんです。だからそういう改革が必ず起こる、ということですよ。
中国の変化のタイミングについて聞かれた邱永漢氏の答え。前任者の前の前の人のモデルに遡るってことはないのかと思ったのですが、時代の流れに逆らうことはないかと私のつぶやきです。 ■今日のKey Words■
二億人:
「すぐに時代がかわりますよ。いまのことを考えていてはいけないんです。近い将来、中国にはね、ミドルクラスがに二億人生まれるんですよ」
グラタン:
フランス語では、ごく一部の凄い金持ちや、その社会のヒエラルキーの最上部に位置する一握りの人間のことを「グラタン」と呼ぶ。
素早い決断:
素早い決断だ利益を生む。「ひとつはね、自分がよく動いて、モノを見ているということ。それから、もうひとつは、世の中がどういう具合に変わっていくか。いつまでも同じじゃないことがわかること。かならず変化が起こるから、それを、他人よりちょっとだけ早く先取りすればいいわけでしょ
海外に出て行って商売をやる:
人通りの少ないシャッター通りをウロウロしていてもしょうがない。仕事のやれそうなところに動いて、世界中に日本人の生きるスペースをつくるべきですよ。

■感想■
直木賞作家、そして株の神様として一世を風靡した邱永漢氏が中国は食に困るというところで先見の眼で投資先の現地視察に同行したことをもとに、「農」の人・玉村豊男氏が追跡ルポし、インタビューした内容。現実の中国の勢いと問題、そして世の中の予見力の付け方を教えてくれる一冊。

明治維新の人たちじゃないですが、やっぱり行ってみないとわからない中国ですね。

中国についてもっと知りたい人は、こちらのポッドキャストをお勧めします!

http://www.radionikkei.jp/roundup/entry-178022.html
Podcast: http://www.radionikkei.jp/roundup/asx/roundup-100101.asx

伊藤洋一さんと富士通総研経済研究所・柯 隆さんの話の切れ味が心地いいです。「伊藤洋一のRound Up World Now!」より

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