運を育てる、夢を叶えるヒント教えます。

人生で成し遂げる結果の80%は、その人の時間のわずか20%を使った行動から生まれる。


Just when the caterpillar thought the world was over, it became a butterfly.
「あぁ、世界が終わる」そう思った瞬間に、イモムシは蝶になる。

人物:冒険家・歴史・起業家・経営者・アスリート・アーティスト

室伏広治選手、世界一! 「志は、気の帥なり」 5

男子ハンマー投げの室伏広治選手が世界陸上で初制覇した

2006 ワールドアスレチックファイナル の金メダル以来だ。

ここ数年、不調が続き、周囲からは引退の噂が広がっていたとも報じられていた。

しかし、本人には強い目的意識と精神の強さがあった。

まさに室伏にはこの言葉があてはまる。
志は、気の帥(すい)なり 
こうなれば、おのずから元気も気力も出てくる。また、その父の室伏重信氏のこんな言葉もある。
スランプは大切です。そこに陥らないと、人はなかなか自分を直そうとしたがりませんから。

体の合理的な動かし方を追求し続け、「背骨の6番目だけ動かす」という微妙な感覚まで身につけたという。

一方で、一般サラリーマンやOLは最近のストレスな仕事環境で体を壊す人が最近多い。

幸田露伴はこんな内容のことを書きのこしていた。

すべての病気というものは「不覚」のうちに生じて「自覚」で成り立つものである。

自覚しないときは、すでに病に冒されていてもそれに気がつかないが、

それを自覚すると病はたちまち勢いづく。

いいかえれば、もし病気にかかっていても自覚しなければ病気は存在しなのと同じであり、

また病気にかかっていなくても、それは自覚すれば病気になってしまう。


大切なことは、強い目的意識と精神力があるかどうかなんでしょう。

今やっている事に無関心になったり、興味が薄らいできたときに、外から強いプレッシャーがかかると風船のようにパンクしてしまう。

凹んでいるという精神状態は、言いかえるとスランプの状態で、結局、そこから元の状態に修復するには、自分の中にそれ以上の力となる支えがあるかどうかなんだろうと思った今日の世界陸上だった。




地震予知能力をもった犬と肝のすわった猫、そして芥川龍之介5

動物には地震の到来を予知する能力があるという話しはよく聞くが、地震前と地震直後の犬と猫の反応が示された映像があった。

犬の場合


ネコの場合


追記:

芥川龍之介は関東大震災を植物の異常から予知していたそうだ。

『中央公論』1923年10月号に「大震雑記」と題して寄稿。
大正12年8月、僕は一游亭と鎌倉へ行き、平野屋別荘の客となった。

僕らの座敷の軒先はずっと藤棚になっている。

そのまた藤棚の葉の間にはちらほらと紫の花が見えた。

8月の藤の花は年代記ものである。

そればかりではない。

後架(手洗)の窓から裏庭を見ると、八重の山吹も花をつけている。

そのうえ、また珍しいことに小町園の庭の池に菖蒲、蓮と咲き競っている。

藤、山吹、菖蒲と数えてくると、どうもこれはただごとではない。

“自然”に発狂の気味のあるのは疑いがたい事実である。

僕は爾来(じらい)人の顔さえ見れば『天変地異が起こりそうだ』といった。

しかし誰も真に受けない。

久米正雄の如きはにやにやしながら大いに僕を嘲弄したものである。・・・

僕らが東京に帰ったのは8月25日である。

大地震はそれから8日目に起こった 


備えあれば憂いなし

マキアヴェッリ Niccolo Machiavelli - 運命(Fortuna) と 技量(Virtu)5

普通、人間は、隣人の聞きを見て賢くなるものである。それなのにあなた方は、自ら直面している危機からも学ばず、あなた方自身に対する信ももたず、失った、または現に失いつつある時間さえも認識しようとはしない。あなた方の考えを変えないかぎり、いたずらに涙を流すことになるだけであろう。

わたしは、はっきりと言いたい。運は、制度を変える勇気をもたないものには、その裁定変えようとはしないし、天も自ら破滅したいと思う者は、助けようとはしないし、助けられるものでもないのである、と。


わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈2〉 (新潮文庫)
わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈2〉 (新潮文庫)
著者:塩野 七生
新潮社(2010-04-24)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

ロレンツォ・デ・メディチのEQ(こころの知能指数)5

Lorenzo_de_Medici


昨日の続きになるが、民衆を魅了したロレンツォ・デ・メディチのリーダーシップに関係する一節があったので紹介する。


気分の協調性は人間関係の核心であり、赤ちゃんの情動に波長を会わせる母親の行動を成人の人間関係に移しかえたのと同じことだ。

対人能力を決定するひとつの要素は同調性をどのくらい器用にこなせるかだ。

他人の気分に合わせるのがうまい人、あるいは他人を自分の気分に同調させるのが上手い人は、情動レベルの相互関係をスムーズに運ぶことができる。

優秀なリーダーや俳優の条件このような方法で何千という聴衆を動かす力をもっていることだ。

同じ意味で、感情を受け止めらり伝えたりすることの下手な人は人間関係で問題をおこしやすい。

こういう人たちは、どうしてなのか自分でもわからないうちに周囲の人々に居心地の悪い思いをさせてしまう。

EQ こころの知能指数 (講談社プラスアルファ文庫)EQ こころの知能指数 (講談社プラスアルファ文庫)
著者:ダニエル・ゴ−ルマン
講談社(1998-09-18)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

EQ関連の本は一時ブームのようにもてはやされいた記憶があるが、正直、自分はあまり関心なく一度も関連本を読んだことがなかった。

それが、読んでみて発見!

脳のしくみや心理療法、ポジティブシンキングや処世術、いわゆる成功本や自己啓発本に書かれている内容がところどころで網羅されている。

文庫本だが、約450ページには表現変えれば別の本が仕上がってしまうほど、ああこれどこかで読んだと思わせる箇所が満載。

人生は、知性によって生きる者には喜劇、感性によって生きる者には悲劇である。 
− Horace Walpole(イギリスの政治家、小説家) 

思考と情動の調和が大切だ。

ロレンツォ・デ・メディチ Lorenzo de' Medici - 花の都フィレンツェ5

人間は、運に恵まれない人に対して同情するが、幸運に恵まれつづける者のほうを好むものである。

それはなにも、寄らば大樹の陰、などという安易な気持ちからではない。個人個人は諸々の「神のくだされる試練」と闘う毎日を送っている彼らにしてみれば、それをしないですんでいるらしい「神の愛したもう者」を見るほうが、救われる気分になるからである。

ナポレオンは、同程度の才能をもつ将軍が二人いれば、運の強いほうを登用したそうだが、人間何かをしようとする場合、いかに優れていても才能だけでは充分でなく、運というものが大きくものを言うことを理解している者は、マイノリティにすぎない。しかしマジョリティも、人間心理のごく自然な発露としても、運の強い者を好む傾向は共有しているのである。ロレンツォ*は、理想的なリーダーとして、彼らの胸に固定したのであった。

*フィレンツェ共和国を実質的に統治したロレンツォ・デ・メディチのこと。ちなみに誕生日は1449年1月1日。優れた政治・外交能力を備えたロレンツォは、イタリア各国に大きな影響力を持ち、国民から絶大な支持を得ていた。一方で、若き日のミケランジェロなどの芸術や文学のパトロンとして、ルネサンス文化最盛期を築いた功労者でもある。

ロレンツォの考えによれば、小国群の健全なる存続こそ、大国間の平和を維持するに不可欠な要因、ということになる。あやふやな状態にある小国ぐらい、大国にとって魅力的な対象はないのだから。

まさに今の日本へのアドバイスのような言葉。小さな国の中でガタガタしていては、大国の餌になってしまう。

わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈1〉 (新潮文庫)わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈1〉 (新潮文庫) より

著者:塩野 七生
新潮社(2010-04-24)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


たまに違うジャンルの本を読むのは面白い!

アリューシャン列島に漂着した大黒屋光太夫 #1645

運命とはこの人物の生き方のことをいうのだろうか。


おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-1)おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-1)
著者:井上 靖
文藝春秋(1974-01)
おすすめ度:5.0
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る




■あらすじ■
1782年、伊勢出帆後に難破。

船頭の光太夫含む船員16名は、約八カ月漂流した後、アリューシャン列島のラット諸島に属するアムチトカ島*に漂着する。

*現在,アムチトカ島はアメリカ合衆国の地下核実験基地がおかれている。


光太夫たちは,ここで4年間暮らし、遭難したロシア商人の船の残骸で、その船に乗っていたロシア人乗組員たちと共同作業で,いかだのような船を造り、日本人9人,ロシア人25人で、1787年の7月半ばから8月後半にかけて、カムチャッカ半島の東岸,ニジム・カムチャッカに渡った。

その後、生き残ったわずか6名の日本人は、帰郷への手立てを探るためにオホーツク、ヤクーツク、イルクーツクと世界で最も厳しい寒さと戦いながらシベリアを転々とする。いつになれば帰国できるのかと日々望郷の念にかられる中、凍傷で片足切断した船員はキリスト教に改宗し、また別の若い船員はロシア女性と恋におち、ロシアに残る決意をする。

光太夫は世話人となった学者ラックスマンを通じ、初めて見る文化に強い衝撃を覚え、この感動を故国へ伝えたいと帰国への執念を燃やす。

そして、ラックスマンらの協力を得て、最後の望みを賭け、女帝エカチェリーナ二世への謁見が実現し、国賓扱いで帰国を許されることとなる。

1792年、光太夫、小市、磯吉わずか3人が、実に9年9カ月ぶりに帰国を果たし根室へ着く。

しかし、鎖国中の幕府は彼らを迎え入れようとは せず、小市は病死。
光太夫、磯吉も上府、雉子橋外の厩舎に留置される。結局、海外に出たことを固く拒否していた幕府は彼らを故郷の伊勢に帰さず、幽閉という扱いで、晩年を過ごすことになる。

光太夫と磯吉にとって帰国が幸せであったかどうかは定かでない。

daikokuya_map
大黒屋光太夫漂流図(「大黒屋光太夫物語」より)


■今日の付箋と感想■
漂着してから半年たっても言葉は通じなかったが、最初に見つけた言葉がエトチョワだった。
「異人たちは俺たちのところへ来て、時々エトチョワと言うが、あれは、これは何かということらしい。初め、これが欲しいということかと思ったが、そうでもないし、きたないというのかと思ったが、そうでもない。上等なものかどうか訊いているのかと思ったが、それも違っている。どうも、これは何かと訊いているらしい。こっちで何かを指して、エトチョワと言うと、すぐにこにこしながら、返事をする。嘘だと思ったら、ひとつ、やってみるべし」
と年少の磯吉が見つけた。それから理解できる言葉が増えてゆき、片言ながら言葉によるコミュニケーションができるようになった。そして、これをきっかけに光太夫は女帝とも直接話しができるまでになる。

帰国という希望に一筋の光を見つけたのは、エトチョワ(何か)と問うことができた瞬間だったかもしれない。

光太夫のすごいところは、コミュニケーション力をつけるために言葉の学習を怠らなかったこと、そして日常の出来事を事細かく書き残していったとところにある。

今の無難な時代にも必要なことかもしれない。

タイトルのおろしやとは江戸末期に用いられたロシアのことで、酔夢譚(すいむたん)は夢物語。

このタイトルのように、実は様々な苦難を重ねていく中で、ロシアの人々や国や文化の肌身に心地よさを感じていったのかもしれない。

色んな角度で読めるお勧めの一冊。


KC & The Sunshine Band - Keep It Comin' Love




続きを読む

"植村直己"と"冒険魂" #1635

california raisins片道切符で渡ったアメリカ

冒険費用を稼ぐための仕事はメキシコ人労働者との果樹園における果実のもぎ取りだった。


Morzine不法労働が見つかり、強制送還は免れ、そのままヨーロッパへ。

苦労した末につかんだ仕事はスイス・モルジンヌ。それもできなかったスキーのパトロール

クレバスはじめての単独登攀(とうはん:登山で険しい岩壁などをよじ登ること)はモンブラン、氷河のヒドン・クレバスに落っこち、九死に一生を得た

 

 

 


ケニア山豹、野獣に脅かされ、ピッケル一丁を武器に登ったケニア山






Mt Aconcagua麓(ふもと)から15時間の速攻で一気に登った南米のアコンカグア





大部隊で登ったエベレストエベレスト
苦労せずに登頂できた成功が素直に喜べなかった。






アマゾン恐怖のどん底にあった60日間のアマゾンのイカダ下り





何がここまでさせたのか。

20代の冒険を綴った植村直己氏の本。

青春を山に賭けて (文春文庫)青春を山に賭けて (文春文庫)
著者:植村 直己
文藝春秋(2008-07-10)
おすすめ度:4.5
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


■目次■
青春の日々
山へのプロローグ
アルプスの岩と雪
朝焼けのゴジュンバ・カン
マッターホルンの黒い十字架
アフリカの白い塔
忘れ得ぬ人々
アンデス山脈の主峰
六十日間アマゾンイカダ下り
王者エベレスト
五大陸最高峰を踏破
地獄の壁グランド・ジョラス

■今日の付箋■
どんな小さな登山でも、自分で計画し、準備し、ひとりで行動する。これこそ本当に満足のいく登山ではないかと思った。
もちろん単独の登山は、無謀にひとしいほど危険がつきまっている。人の意見も、とうぜん重視しなければならないが、その意見にしたがってばかりいては何もできない。人にいわれてやめるのではなく。自分で実際に直面して肌で感じとり、それでできないと思ったらやめ、できると思ったらやるべきではないか。

■感想■

生死の境をくぐり抜けながらも、一つの冒険が終わるとまた新たな目標に向けて果敢にチャレンジしていく植村直己のモチベーションが何だったのかなんてことを考えてこの本を読んだ。

後日、「冒険に理由をつけると、冒険でなくなっちゃう」という言葉を残されていたのを知り、思わず納得させられてしまった。

ただ言えるのは、山に登らなければその苦労もその喜びもわからないということでしょう。

植村さん曰く、
苦労が大きければ大きいほど、後でそれに比例した大きな喜びが返ってくるものなのだ。

そして、遭難しかかったときの文章にあった言葉。
私にとって、過去のできごとは、まったくの心の宝であった。
マッキンリーで消息を絶った植村さん、最後もきっとこう思っておられたのでしょう。


Tine Thing Helseth: Haydn Trumpet Concerto, 3rd mvt



こちらも参考までに。

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すかモチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
著者:ダニエル・ピンク
販売元:講談社
発売日:2010-07-07
おすすめ度:4.0
クチコミを見る



最近読んだモチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか にはこんなことが書かれていた。

オリンピックで2大会連続金メダルをとったセバスチャン・コーは、「向上がわたしにとってのゴールだった。その結果得たメダルは、ゴール達成に対する最終的な報酬にすぎなかった」と話している。

「オーテリック(自己目的経験)」すなわち、フローという心理状態は、目標は自己充足的にあり、ロッククライマー、サッカー選手、競泳の選手、洞窟探検家に共通する。

一方で、自律性を重んじる冒険家は一種のアーティストやクリエイターなのかと思う。

米デザイン・コンサルタント会社、IDEOのTom Kelly氏 は、「クリエイティブな集団にとって、もっとも大切な自由とは、新たなアイデアを試せる自由である。イノベーションには費用がかかるのではないか、と疑っ てかかる者もいる。長期的に見れば、イノベーションは安価だ。凡庸に甘んじれば高くつく。自律性がこれに対抗する手段となるだろう」という。続きを読む

幕末の隠れた英雄 ジョン万次郎 #1525

最近すっかりブログから遠ざかってしまっていたのですが、久々にサイトをチェックしたら目標の10000アクセスに到達です。皆さんのご訪問に感謝です。<(_ _)>

今日紹介する本はこちら。
ジョン万次郎 (人物文庫 ど 1-52)ジョン万次郎 (人物文庫 ど 1-52)
著者:童門 冬二
販売元:学陽書房
発売日:2009-12-10
クチコミを見る


初めてアメリカ本土に渡った日本人、ジョン万次郎。

子供の頃に話しを聞いたことはあったのですが、実際に本を読むのは今回が初めて。

日本がまだ鎖国をしていた頃、土佐の貧しい漁村に生まれ育つ。武士の子供に生まれてこなかったばかりに教育を受けさせてもらえず、読み書きも殆ど出来なかった14歳の少年。

家族を養うために、ある日、漁師の手伝いで漁に出て、不幸にも嵐に遭遇し、年上の仲間と共に無人島に漂流する。

数ヵ月後、奇跡的にも近くを通りかかったアメリカの捕鯨船に助けられ・・・。

真実は小説よりも奇なり、ジョン万次郎が経験した無人島生活、捕鯨船の船長との出会い、アメリカで体験した自由と民主主義。最先端の学校教育から捕鯨船の船員、カリフォルニアのゴールドラッシュ、そして浦島太郎のように帰国したときの冷遇など一筋縄ではいかない彼の人生の道のり。

伝記なのか小説なのか、もっとジョン万次郎について機会あれば調べたいと思う。

この本では、万次郎が陽気で前向き、向上心でありながら努力家であったかが描かれている。生死を境にした漂流・無人島生活、そして初めて見るカラフルな先進国とモノクロな差別社会。

ネガティブをプラスに転じてきた精神力と努力は、後に坂本竜馬や岩崎弥太郎、福沢諭吉など数多くの歴史上の人物たちに影響を及ぼしたという。明治維新に活躍した人物と表されないのが不思議なくらい。

勝海舟や坂本竜馬とはまた違う幕末のヒーロー。
まだ、ジョン万次郎を読んでない人はぜひお試しを。

The Script - Breakeven

「予見力」と中国 #1375

ゼロからのワイナリー&レストラン事業 File#85 で紹介した『里山ビジネス』の玉村豊男氏著が書かれた本を紹介します。


邱永漢の「予見力」 (集英社新書 514A)邱永漢の「予見力」 (集英社新書 514A)
著者:玉村 豊男
集英社(2009-10-16)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

■目次■
はじめに 第一章 波の向こうの流れを見る 第二章 アジアの農業の新しい地図を描く 第三章 中国人の和牛牧場 第四章 タバコ工場のワイナリー 第五章 フロンティアは西へ 第六章 邱永漢の目のつけどころ 第七章 十年後の中国と世界はどうなっているか あとがきに代えて−−−−八十五歳の誕生日会

■今日の付箋■
海のそばに住んでいると、波しか見えないでしょ。すぐ目の前にある、波ばかりが目につく。それっ、大波が来た、こんどは小波だ。そんなことばかりが気になって、潮の流れが目につかない。目先の大波小波に目を奪われて、どこに魚がいるかわからなくなるのです。
邱永漢氏は証券会社の人は相場を見過ぎていて、正確な情報がつかめなくってなしまうという。現象にとらわれて、本質を見ようとしない。動いているものを見るのでなく、動かしているものを見る。そして迅速に動く。潮の流れが日常のことであれば、津波のような非日常的なことでも同じことが言えるのでしょう。

■今日の付箋2■
それまでじっとおとなしく前任者の方針を受け継いでやってきた人でもね、やはり、自分だって前の人とは違うんだということを、どこかで示したくなるものなんです。だからそういう改革が必ず起こる、ということですよ。
中国の変化のタイミングについて聞かれた邱永漢氏の答え。前任者の前の前の人のモデルに遡るってことはないのかと思ったのですが、時代の流れに逆らうことはないかと私のつぶやきです。 ■今日のKey Words■
二億人:
「すぐに時代がかわりますよ。いまのことを考えていてはいけないんです。近い将来、中国にはね、ミドルクラスがに二億人生まれるんですよ」
グラタン:
フランス語では、ごく一部の凄い金持ちや、その社会のヒエラルキーの最上部に位置する一握りの人間のことを「グラタン」と呼ぶ。
素早い決断:
素早い決断だ利益を生む。「ひとつはね、自分がよく動いて、モノを見ているということ。それから、もうひとつは、世の中がどういう具合に変わっていくか。いつまでも同じじゃないことがわかること。かならず変化が起こるから、それを、他人よりちょっとだけ早く先取りすればいいわけでしょ
海外に出て行って商売をやる:
人通りの少ないシャッター通りをウロウロしていてもしょうがない。仕事のやれそうなところに動いて、世界中に日本人の生きるスペースをつくるべきですよ。

■感想■
直木賞作家、そして株の神様として一世を風靡した邱永漢氏が中国は食に困るというところで先見の眼で投資先の現地視察に同行したことをもとに、「農」の人・玉村豊男氏が追跡ルポし、インタビューした内容。現実の中国の勢いと問題、そして世の中の予見力の付け方を教えてくれる一冊。

明治維新の人たちじゃないですが、やっぱり行ってみないとわからない中国ですね。

中国についてもっと知りたい人は、こちらのポッドキャストをお勧めします!

http://www.radionikkei.jp/roundup/entry-178022.html
Podcast: http://www.radionikkei.jp/roundup/asx/roundup-100101.asx

伊藤洋一さんと富士通総研経済研究所・柯 隆さんの話の切れ味が心地いいです。「伊藤洋一のRound Up World Now!」より

Alan Parsons Project - Don't Answer Me 続きを読む

宮里藍のメンタル術 #1225

もう少しの間、結果よりプロセスを大切にしていいですか?
いずれアメリカで必ず優勝します。

「とみのなる木」の育て方―こどもの時から学びたかった「お金の育児書」「とみのなる木」の育て方―こどもの時から学びたかった「お金の育児書」
著者:ジャスティン フォード
販売元:ガイア出版
発売日:2005-11
おすすめ度:4.0
クチコミを見る


練習したい時だけ練習する選手がオリンピックの表彰台で金メダルを手にすることができるか?

簡単な研究だけを暇な時間にやって専門分野の権威になれる学者やノーベル受賞者がいるのか?

自分の時間と自分のお金なのですから、いつでも好きなように使えるわけです。

しかし、それをコントロールして、あらゆる分野で頂点を極めようとする人々は、「必要な時には辛い方を選択する」という規律を自らに課しているようだ。

目標を達成するためには、献身と一貫性が必要であることを理解しているからだ。
夢を実現できるだけの富を築き上げるには、子供の頃からの習慣、長期投資の智恵を身に付けることがとても重要と書かれた本からの一節。

これを実践しているのが、今年、フランスのエビアン・マスターズにて米LPGAツアー初優勝を飾った宮里藍選手。

子供の頃から世界で活躍できるプロゴルファーを目指し、沖縄から東北の高校に進学し、海外で活躍できる選手になるため、英語も習得。

2003年の在学中にはプロ転身を決意。その後は飛ぶ鳥を落とす勢いで日本女子プロゴルフ界をリード。賞金ランキング一位になると自ら厳しい環境になるアメリカに拠点を変え、幼いころの夢を実現。

しかし、世の中そんなに簡単ではなかったようで、昨年発行された本ではスランプについて書かれていた。つまりは環境がかわり、もがけばもがくほど思うようにことが運ばなかったという話。

最初に書いた言葉は、その本の最後の言葉でした。
もう少しの間、結果よりプロセスを大切にしていいですか?
いずれアメリカで必ず優勝します。


そして、このブログを書いていて気付いたのですが、この本が出版されたのは2008年7月25日。

LPGAツアー初優勝を飾ったのは、本が出版されてから、ちょうど1年の2009年7月26日のことでした。

ちょっと凄すぎですね。鳥肌が立ちました。

I am here.―「今」を意識に刻むメンタル術 (角川SSC新書)I am here.―「今」を意識に刻むメンタル術 (角川SSC新書)
著者:宮里 藍
販売元:角川SSコミュニケーションズ
発売日:2008-07
おすすめ度:4.0
クチコミを見る


この本の中では、その時に出会ったメンタル術について書かれているので、興味ある方はぜひ読んでみてください。

島田紳助の蓄財術 #1185

「疑問が湧いたことはノートに書き留め、専門家に聞いたりしてわかるまで勉強する。それらをすべてノートに書くんです。一問一答形式で見やすく整理して」

感動にはプロセスが必要だという島田紳助氏の稼ぎっぷりについて書かれた本から。

島田紳助はなぜ好きな事をして数十億円も稼ぐのか―蓄財術は島田紳助に学べ!島田紳助はなぜ好きな事をして数十億円も稼ぐのか―蓄財術は島田紳助に学べ!
著者:久留間 寛吉
販売元:あっぷる出版社
発売日:2007-05
クチコミを見る


自分の税金は会社を作って節税する

会社の税金は不動産業を営んで節税する

普通の人は、どうやって稼ぐかだけを考えて、入ったら入った分消費してしまう。でも紳介氏は違って、収入と支出に注意を払い、個人と会社で二重の節税策を採っている。まさに見習うべき点。

18歳のときに30歳までにやるべきことをノートに書いたあんですよ。(中略)とにかく将来を見据え、細かく計画を立てて、実行に移していたようだ。


「うまくいかないときに他人や環境のせいにする人間は幸福にはなれません」
自分の娘がアメリカに留学する際に贈った言葉だそうだ。

芸能界と実業界で成功している理由には、いい人脈作り(人づきあい)であり、その中で良い情報が収集でき、学ぶ姿勢を崩してないことだと書かれている。

ちなみに島田紳助氏のお金儲けの最大の動機は将来への不安らしい。

テレビを見て笑ってストレス解消もいいが、何か新しい発見をしてやろうと思ってみるのも必要かも。

Joey Scarbury - Greatest American Hero "Believe It Or Not"
続きを読む

天才ピアニスト 辻井伸行 #1095

天才というのはこの人のことを言うのでしょう。

日本人ピアニストとして初めて「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」で優勝した全盲の辻井伸行さん。

4年に1回開催されるこのコンクールは若手ピアニストの登竜門、優勝すれば優勝賞金2万ドル、そして数多くのコンサート契約が含まれ、プロとして約束された道が用意されるコンクール。
Winners' Engagements
The six winners of the Thirteenth Van Cliburn International Piano Competition will share more than 300 concert engagements throughout the United States during the three seasons following the competition as coordinated by the Foundation. The gold medalist will also be awarded concerts in Europe, Asia, and other international territories through IMG Artists (Europe). Presenters who have already offered engagements include the Rochester Philharmonic as well as the Colorado, Dallas, San Diego, and Utah Symphony Orchestras; as well as noted recital series presenters in Boston, Houston, Seattle, and Washington, D.C.
Among the concert engagements the Gold Medal winners will share are performances at the Aspen Music Festival, and at London's prestigious Queen Elizabeth Hall in March 2010 (arranged by IMG Artists).

テレビで辻井伸行さんが優勝したと流れたときに、久米宏時代のニュースステーションに出演していたのを思い出しました。

ジャズとクラシックを融合した独特なカプースチンの曲を演奏していたのは確かまだ中学生でした。ピアノの演奏が印象的だったので、思わずオリジナルのカプースチンのCDを翌日買いに行ったことを記憶してます。今でもカプースチンの曲は好きなピアノ曲の一つです。

その当時の演奏が、Youtubeに上がっていたので紹介します。


「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」がどういうコンクールなのか知らなかったのでちょっと調べてみました。

ヴァン・クライバーンというのは、1958年第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したピアニストで、アメリカとソ連(現ロシア)との冷戦下で、アメリカ人のピアニストがソ連の権威あるイベントに赴き優勝したことで一躍国民的英雄となった人だそうです。

ヴァン・クライバーンのピアノ・コンクールは、最初当時ピアノ教師だった夫人がコンクールを運営し、その後テキサス州フォートワースの石油富豪によって引き継がれ、財団を設立。ダラス・フォートワースの富豪達からのスポンサー獲得で、破格の規模にまで大きくして商業主義のスタイルをコンクール運営に持ち込んだとされています。

ヴァン・クライバーンを知らずして語れないということで、こちらもYoutubeにそのチャイコフスキー国際コンクールに優勝した当時のニュースが上がっていたので紹介します。

演奏もそうですが、アメリカとソ連の歴史においても意味のあるピアニストだったんですよね。

ちなみに今回の「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」では、中国のHaochen Zhangさんも一緒に優勝を受賞しています。

田中義剛 花畑牧場 File#905

突然ですが問題です。
次に共通するのは何だと思いますか

九十九ラーメン
味噌チーズラーメン
生キャラメル
生キャラメル


里田まい

カチョカバロ

いももち

ホエー豚

空港ビジネス

北海道物産展

□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□■□■□

正解は、

すべて北海道発のヒットビジネス。
そして、その仕掛け人がタレントの田中義剛(たなかよしたけ)氏です。

□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□■□■□

田中義剛氏は、現在TVとラジオのレギュラー番組を6本持つ、いわゆる売れっ子のタレントさんです。
Profile:1980年に北海道酪農学園大学を卒業して、1986年に歌手デビュー。1987年に活動の拠点を東京に移しバラエティ番組を中心に全国ネットの人気タレントに成長、ドラマやCMでも活躍する。1994年に念願の『花畑牧場』完成。その後、タレントと酪農家の両面で活躍。

今日は、そんな義剛さんが書いた本です。田中義剛の足し算経営革命-北海道発 大ヒットの法則! (ソニー・マガジンズ新書)
田中義剛の足し算経営革命-北海道発 大ヒットの法則!

年商40億円、利益率15%目前の経営手法の紹介といった内容で、義剛氏が考えるヒット商品の法則、アグリビジネスの成功法、地方のビジネス・中小企業経営のあり方などを説いています。

北海道・十勝で10年間赤字経営を続けてようやく黒字経営に転換した牧場経営の経験とノウハウ、また、一方でタレントとして得た賢いメディア活用法など地方ベンチャービジネスの経営法が学べる本です。

その本の中から。
認知度がある程度あれば、新しい商品のブランディングが比較的簡単にできる。
生キャラメルはまさにここに目をつけている。誰もが食べたことのあるキャラメル。そこを少し改良しただけで大ヒットに。きっと身近なものも発想の転換があれば大ヒットするのかもしれない。
つらい経験はビッグになったときのエピソード。
去年の暮れに、羞恥心 with PaboでNHK紅白にも出たオバカキャラで売っている「里田まい」は義剛氏プロデュースのカントリー娘の一人。デビューするまでに結構がんばってるんですよね。牧場での重労働はもちろん、裸馬でも乗りこなしちゃうそうです。
脳にガツンと刺激を与えられるかどうかが、売れるかどうかの鍵になる。
ようするにヒット商品は記憶に残るかどうか、そしてまた手にいれたくなるかどうかということでしょう。「脳にガツンと刺激を」という表現がいかにも義剛さんの表現。
マイナス要因をプラスに発想する。
これはすべてに共通することなんでしょう。自分が作るイメージが人生のすべてというぐらいですから。

この本を読むまで義剛氏のことはよく知らなかったのですが、とにかく多額の借金を抱えてまでも牧場ビジネスを続けていたには人一倍強い信念があったからでしょう。

ベンチマーケティングに仕方にしても、ワンチャンスをすごく効果的に実践されている。TV局に企画を上げて、自ら現地に出向いて海外の牧場についのドキュメンタリー番組をつくり、そこに自分の牧場をとりあげて、プラス花畑牧場の宣伝までしてしまうという抜け目ない経営手法が凄い。

イタリア・パロマで見たホエー豚を日本でも出来ないかということで、ヨーグルト作りで本来なら廃棄処分しコストもかかるホエーを豚のえさにすることで一石二鳥を得たり、ニュージーランドのガーデニングファームから取り入れた牧場のショールーム化。花畑牧場も見せる化にして単に生産するだけでなく、そこにも観光客を誘致するといった具合にすべてはムダのない経営が理屈だけでなく実行力は経営者がもっとも求められるものなのだと関心した。

最近電車の中刷り広告では何かグレーな記事が出ていたりするけど、「出る杭は打たれる」ってことでしょうか。

それにしても日本のメディアはどうしてネガティブな話題な好きなんでしょう。読者や視聴者がいるから?それともそうしないと購読者や視聴率があがらないからんでしょうか。つまりはスポンサー獲得のため、昨今の資本主義社会破綻という言葉には何だか経済だけでなく人の心理までおかしくさせているような気がする。

毎日できるだけポジティブなニュースをインプットしたいものです。

Monday Michiru (Monday満ちる) - Sands Of Time

想像的人間に共通して見られる特徴 File#885

今日はこの本から。成長するものだけが生き残る

成長するものだけが生き残る

「人間の脳」は、その人が成長しよう、成功しようと考えると、そのために必要情報を多く取り入れ、それを成し遂げるための脳の神経回路が刺激されて、そこに『成功回路』のようなものが発達する。
例えば、テレビが壊れてしまって、買い替えしないといけなくなった。そんな時は普段テレビなんか全然意識もしなかったのに、急にテレビのCMをじっくりみてしまったり、誰かがたまたまテレビの話をしていると思わず耳を傾けたりするものです。
それと全く同じことなんですね。成長したい、成功したい、と本当に思っているとそのことを意識する脳の働きが活発化することになるのでしょう。

「言いふらす」ことは有益な知識や情報を集める磁石となる。
「言いふらす」って何だか悪口のようなんですが、これは『有言実行』のことです。目標を公言することで自分にプレッシャーを与えることもそうだと思います。ただプレッシャーだけでなく、それを耳にした人で共感する人は有益な情報をもってきてくれるということだと思います。

目標の「根」を定めることが、成長への足腰を強くして、幹を伸ばし、枝葉を広げてくれる。
成功本に欠かさず出てくる目標を決めよという言葉。畑を趣味と実益を兼ねてやってる私には、この文章が納得。何事も根を張らないとすぐ枯れちゃうんってことなんですよね。

成長するには、物事を同時に進める習慣が必要。
以前アメリカのホストファミリーの子供たちが皆んな一年を通じてシーズンごとに違うスポーツをしているという話を聞いたことがあります。違うことを平行してやることで意外な側面が見えたりするものです。

最後に想像的人間に共通して見られる特徴とは、人に「よく会う」と言う点だそうです。それは、人は人に導かれて自分を変える契機を得、また進むべき道を発見するからだそうです。まさに
「出会う人みな師匠」
という気持ちがあれば、新しい発見が何かできるのでしょう。こういう言葉があります。
弟子の準備ができたら、師はあらわれる。


Take 6 - So Much 2 Say

葡萄王になった薩摩藩士・長沢鼎(かなえ) File#845

前回は、江戸後期(1809年)樺太が島であることを突き止めた間宮林蔵(1780-1844)の話を紹介しました。

それから数十年後、薩摩藩士で若干14歳の少年が同藩の海外留学生に選ばれ、1865年渡英したのでした。(ちなみに1863年、5人の長州藩の若者が幕府の禁制を犯してイギリスに密留学したのが日本で始めてのイギリス留学とされています。その中のひとりが初代内閣総理大臣の伊藤博文です。明治維新に活躍していていた高杉晋作も自らイギリス留学を望んでいたのですが、諸般の事情から断念したとあります。当時、日本から帆船で130日かかったという記録も残っているようです。)

今日は、若き薩摩藩士が日本人として、初めてぶどう園経営者になったという話です。名前は長沢鼎(ながさわかなえ:1852‐1934)。ソムリエール8

イギリスから日本に武器商人として来ていたトーマス・グラバーが留学生を世話し、長沢はグラバーの家に引取られ、スコットランドのアバディーンの中学校で学ぶことになったのです。

(グラバーは蒸気機関車の試走、ドック建設、炭鉱開発など日本の近代化に貢献した。造船の街・長崎の基礎をつくったことでも知られている。また、文献によっては単独でスコットランドに移って、グラバーが通っていたグラマー・スクールに学ぶという説もある。)

その留学も半ばで、薩摩藩からの援助金も底をついてしまい、「新生社」というキリスト教共同体を主宰するトーマス・ハリスと出会い、アメリカ・ニューヨークへ移り、森有礼・鮫島尚信ら5名ハリスに頼ったとあります。

ハリスは厳格な清教徒の結社を組織し、ぶどう園での労働との同志的生活を行わせた。nagasawa

明治元年維新後、日本で彼らの働きを必要とするとしてハリスは森・鮫島に帰国を勧め、長沢だけが残ったのです。

結果的に長沢はハリスに従い、カリフォルニア州サンタローザのぶどう園経営と新生社を引継ぎぶどう王といわれるほどの成功をおさめ、終生アメリカに留まり81歳の高齢で客死したのでした。

nagasawa_vineyard
今回、漫画ソムリエール8で長沢鼎の残したカリフォルニアのワイナリーとワインについて紹介されていました。

この話をきっかけに当時の人物や留学に関連することを文献やネットで調べていたら、ちょっとやそこらで書ける内容でないことがわかりました。

言えるのは、あきらかに今の日本人留学生と当時の留学生が違っていたことです。当時の留学は幕府に背く犯罪行為の時代ですから、本当に命を賭けて開かれた国を作るための情報を求めるという使命のもと、本当に辿り着けるかどうか分からない船に乗って出て行ったのです。

イギリスからアメリカに渡ったのも生活に余裕があったからではなく、ハリスという人物を頼らざるをえなかった背景があります。生活資金もそこをつき、薩摩藩から留学した一行の中には飢え死にした学生もいたそうです。

「新生社」というのは実は今でいうカルト教団だったそうです。でもそういうのも明日生き残れるかどうかわからない若者にとっては生き残る道だったのでしょう。

最終的にカリフォルニアの葡萄王といわれるほどの成功をおさめたとありますが、そうなるまでの忍耐と努力は想像を絶するものです。

開国を求めて留学した少年が異国の地で日本人として初めてワイナリーを作った話でした。

キアヌ・リーヴス - 映画『雲の中で散歩(1995)』から

探検家・間宮林蔵 File#835

間宮林蔵・探検家一代―海峡発見と北方民族
間宮林蔵・探検家一代―海峡発見と北方民族


江戸時代後半まで過酷な風土に翻弄され、様子がつかめなかったサハリン(樺太)が陸続きの半島か島であることははっきりと知られていなかった

そのサハリンが島であることを他国の探検家に先駆けてつきとめたのが間宮林蔵だったサハリン探検には松田伝十郎(40歳)という蝦夷地方行政の役人(※奉行調役下役元締。今で言う中間管理職でしょうか。)と、その従者としてついたのが身分が低く無名で若い林蔵(29歳)であった。
※奉行の組織構成は、組頭、組頭勤方、調役、調役並、調役下役元締、調役下役、同心組頭、同心、足軽の順序で、ほかに通訳、在住、雇、雇医師。
 ちなみに林蔵は雇という身分であった。

間宮海峡探検に送り込まれた二人はサハリン最南端から東と西の二手に分かれて沿岸を北上する方法をとり、サハリンが島なら2人はどこかで合流し、もし前進が困難になれば山越えをして反対側の岸で落ち合う約束で調査を試みた。

間宮林蔵は二度探検を試み、最終的に島であることを突き止める。この探検の経緯が気になる方はぜひ本書を読んでみてください。

調査後、間宮の功績が称えられ、大陸との境を隔てている海峡が間宮海峡と名づけられました。

しかしながら当時の地図は国家にとって機密情報であり、自由に公表することはできませんでした。もちろんのことながら他国にその情報を提供すると重罰がまちうけていた。

当時日本に来ていたオランダの学者シーボルトは、帰国するまでに日本の様々の物品を手にして母国に持ち帰ったのです。その中に樺太の地図(間宮海峡が載っている地図)を母国に密かに持ち帰り、その地図から一躍、間宮の名前が欧州に広がるのでした。シーボルトは探検家・間宮林蔵の存在を知り、手紙まで出して接触を試みた記録がオランダの博物館に残っているそうです。

間宮海峡2この本の著者・高橋大輔氏は自信が探検家で、この本を書くために間宮林蔵の足どりを追って実際にサハリン、極東ロシア(シベリア・アムール川)にいき、専門家知人の紹介で訪ねたロシア老夫婦とともに冒険船旅行を行い、そのエピソード体験をふまえて江戸時代の林蔵がどういう場所でどういう人に出会い、何を考えて生活していたのかを探って書いています。

歴史を紐解くと意外なことがわかってきます。普段何気なく思っていることも気にならないことも何か未来に通じるのかもしれません。それにしても、江戸時代の軽装でどうやってサハリンの冬を過ごしたのか想像がつかないです。

アムール川を船旅した著者は、ひと気のない川で船が座礁したり、エンジンが故障したり、ガソリンがなくなったり、やむを得ず船を泊めて、川岸で時間を過ごしたときの蚊の多さなど色んな出来事がまた凄かったです。臨場感溢れる体験談と成っています。

今日の曲は、Turtles - She'd rather be with me.

デザイナー奥山清行氏が見たイタリア File#755

世界が認めた日本人と岩手の中小メーカー File#48 でイタリア最大のカロッツェリア(工業製品、主に自動車のデザイン工房)、ピニンファリーナ社でデザインディレクターをしていた奥山清行氏が独立後、日本の地方企業とスーパーカーを作った話の番組紹介をしました。

今回は、その奥山氏の著書、フェラーリと鉄瓶 一本の線から生まれる「価値あるものづくり」&今日の曲です。
フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」
ferrali

日本の大学を卒業後、アメリカでデザインを学び、米GM(ジェネラルモーターズ)に就職し、その後ポルシェを経て、再びGM、そして36歳で伊ピニンファリーナ社に招へいされた奥山氏のデザインへの想い、そしてイタリアで見た職場環境の違いや文化の違い。イタリア人の素顔が書かれている一冊です。

特にイタリアでの生活での体験話が面白かったのでいくつか紹介します。
【自動車泥棒】
外国人の新人が入社すると、なぜか車が盗まれるという不思議な出来事。最初は治安が悪いと思っていたが実は車を売ったディーラーが自動車泥棒だった。新人は入社が決まるとちゃんとしたディーラーに中古車を買いに行き、数ヶ月して書類が揃った段階で車を手にいれるが、売ったディーラーがスペアキーをもって夜な夜な盗みにくるらしいのです。・・・
こういうのを皆んな知っていて、車を買ったら自宅の駐車場には置くなと新人には注意するらしいです。
【意外に働くイタリア人】イタリア人は異常によく働きます。ぼくは日本以外で、韓国、フランス、ドイツ、アメリカ、イタリア、中国、トルコの人たちと仕事をしたことがありますが、全部を比較してもイタリア人が一番効率良く働くと言えます。・・・日本人はよく働くと思っているが、定時の時間帯の効率が非常によくありません。・・・イタリアには、時計にしてもファッションにしても、家具にしてもクルマにしても、バイオリンにしても、昔の名作がたくさんあります。また、ルネッサンス期の彫刻はみんなイタリアですよね。イタリア人はローマ時代から同じような人たちが同じ考え方でものを作っていて、それがプラダやグッチにつなかっているわけです。
イメージが一掃されました。
【交通機関がスト】
ストなのに、バス停で人が待っている。待っている人にどうして尋ねると「時々くることがあるから、待っるんだ」という。すると本当にバスがやってくる。それもストの間に運転手が小遣い稼ぎで、勝手にバスを走らせているのです。運賃は運転手が全部ポケットに入れるんです。
ある意味、これもイタリア人がよく働くことを証明しているのかも。とは言っても実はここでは書ききれないお国事情や社会問題が含まれていますが・・・
【砂糖伝説】
イタリア人はみんな砂糖をたくさん入れて飲む方が男らしいとされている。
高速道路のサービスエリアでマッチョなトラックの運転手が休憩でコーヒーを飲む時、みんな小さなエスプレッソカップに砂糖をスプーン5,6杯もいれるらしい。今度から回りでコーヒーにたくさんの砂糖をいれる人がいたらマッチョだと思うようにします。
【イタリア人の会議】
会議の最初から怒鳴り合いです。そのまま延々とわめいていて、コーヒーの時間がくると「おー、コーヒー飲みに行こう。」それまで怒鳴り合っていた人たちが、すっと納まって仲良く出かけていくのです。コーヒーを飲んでいる最中も、「夏休み、どこに行くの?」などと穏やかな会話です。ところが休憩時間が終わると、また怒鳴り合い。
会議中の喧嘩はこんな感じで日常茶飯事だけどイタリア人は絶対に一線を超えないらしいです。でも日本人やドイツ人はいいたいことがあっても我慢して我慢しきれなくなって爆発する。アメリカ人はイニシアティブをとって最初にドカーンと怒ってみんなをドキッとさせて全体を掌握する方法をとるらしいです。そういう意味では奥山氏はアメリカ式で仕事をやってるような印象を受けました。

デザインの話しとは違う箇所をピックアップしましたが、イタリアという国がちょっとイメージと違った一面を知りました。

この本はデザイン、アイデア、マネジメントなどがクルマやイタリアという国を通じて語られていますが、物事を極める人の視点は面白いです。機会あれば読んでみてください。

話しは違いますが、いいデザインや音楽に接した時はおいしい食べ物や飲み物で喜んだときの脳と同じ状態になるらしいです。

今日はイタリアにちなんで、この曲をどうぞ。美人姉妹ピアニスト、中村姉妹によるピアノ連弾アルバムCD(Respirer)より映画ニューシネマパラダイスのテーマ



いかがでしたか?ちょっとニューシネマパラダイスとは違ったノスタルジックでもあり現在進行未来図のような映像のように思えました。

三浦雄一郎という冒険家 File#745

75歳のエベレストを読みました。これまで三浦雄一郎氏と言えばプロスキーヤーぐらいの印象しかなったのですが、この本を読んで改めてこんなすごい冒険家が日本にいたのかと思い知らされました。 本のタイトルどおり、今年の5月に75歳にしてエベレスト登頂。70歳の時にも登頂している。実は37歳のときにエベレスト8000メートルからパラシュートをつけて滑降した(世界最高地点スキー滑降)ことで有名人になり、そのときの記録映画「エベレストを滑った男」ではアカデミー賞を受賞したそうです。残念ながら私は知りませんでしたが、日本でも「エベレスト大滑降」というタイトルでロードショーをしたそうです。ただ記録映画ということもあり、当初の一ヶ月の予定が2週間で打ち切りになったとのこと。

75歳のエベレスト 
本書、今年の「山頂へのアタック」の一節から、
南峰の山頂直下の岩陵は、雪が少なくなったせいもあり、岩壁を5メートル登って今度は氷の壁を10メートル登り、また岩壁と150メートルくらいの難関が続く。斜度は平均60度で、オーバーハングもある。大きな高所靴にアイゼンの爪先だけでオッククライミングを続けないといけない。上がるのが苦しくて苦しくて、涙が出るほどつらい。疲労困憊を超えて、体ではなくて塊だけが登っているという感覚だ。
75歳にしてこんなチャレンジをやってみせるとはあまりにも凄すぎませんか。

そんな三浦氏も、53歳の世界7大陸最高峰のスキー滑走達成が一つの区切りだっという。

ふと気づくと具体的な目標もなく、暴飲暴食・不摂生の日々。昭和一桁の同期が集まると体力や気力についてのネガティブな話題でもちきり。そんなことで半ば引退生活でトレーニングもしなくなり、気が付けば高血圧、高脂血症、狭心症の生活習慣病に。 everest

65歳のときに一念発起、70歳にエベレスト登頂を目標設定。この影には白寿の記念にモンブランの氷河を滑降すると日々トレーニングに励んでいる偉大なる父と、オリンピック選手の息子が刺激になったとのこと。

環境というものは恐ろしいもので、5年の準備期間を経て、目標の70歳のエベレスト登頂成功、そして今年、75歳での再度成功。 年齢は関係ないんですよね。

もちろん生まれながらの素質、これまでに積み上げてきた努力や経験もあるとは思うのですが、最後には何事も気持ちありきなんですよ、きっと。雄一郎氏の父・敬三氏は100歳でロッキー山脈をスキー滑降されてるんですから。

この本を読んで、運は偶然ではなく、自ら作るものだと確信しました。 百聞は一見にしかず。こちらをどうぞ。

オーナー企業の研究 File#725

おもろい会社研究 (日経プレミアシリーズ (013))おもろい会社研究を読みました。元週間ダイヤモンドの著者である松室哲生氏が、オーナー経営者の話にはドラマがあって面白いということでまとめられた本です。発想の原点が違う会社、経営者の真っ当さ、こだわり続ける集中力、人のやらないこをやるパワー、世界的な技術力などユニークな角度で会社を起業し、どのように成長させてきたかを16企業に渡って紹介されています。

読むうちに各社の背景・歴史と経営者の顔が見えてきて、その会社の具体的な商材を確認したいがために思わず各社のHPをチェックさせらてしまいました。

この株価低迷な時期、今がチャンスと株を買ってみようかと思う企業もあります。

個人的に気になった企業名とその企業のHPにあった紹介文を一部ピックアップしてみました。

??????
ファーマフーズ http://www.pharmafoods.co.jp/
鶏が産んだ卵は、21日間暖めるとひよこになります。それは生命を司るすべての物質が卵に収まっているからです。そこで、卵からの生命の創造・維持に必要な成分を取り出すことに着目しました。「卵」からの発想がわたしたちの原点です。開発コンセプトは、「免疫」「老化」「神経」
 cf. File#69でも21日間をキーワードで取り上げました。

faitenn
ファイテン http://www.phiten.com/
すべては健康を支えるために。創業以来わたしたちがこだわり続けてきたもの、それは人のカラダが本来持っている「自然治癒力」でした。ストレスや疲労の蓄積により狂ってしまった心身のバランスを最良に保つことで、現代人の自然治癒力は十分な力を発揮するようになると思い至ったのです。
自然治癒力っていうのがカギですね。

????
原弘産 http://www.harakosan.co.jp/
原弘産は「地球大切宣言」をスローガンに掲げ「住環境」を追求しています。
元積水ハウスで設計部門から営業部門に異動になって開花した社長。発想が柔軟でサービス精神旺盛でユニーク。今やオランダの企業を買収して和製オランダ風力発電メーカーとなり、国内では不動産から介護事業までを引き受けている。

hosokawa
ホソカワミクロン http://www.hosokawamicron.co.jp/
これまでのスキンケアは、美肌成分をお肌の奥まで届けるのが困難でした。そこで、ホソカワミクロンが機能性ナノパウダー「PLGAナノスフェア」を開発。美肌の法則「200ナノメートル」を導き出し、エイジングケア成分"クリスフェアオイル"を安定した状態でお肌に届けることに成功したのです。
そもそもコピー機のトナーなどに使われる粉、粉体を作る機械メーカーで世界トップクラスのメーカー。アンチエイジングにナノテクを導入した商品がネットでの販売を広げているそうです。

あなたの身近に成功しているユニークなオーナー経営者がいらっしゃったら教えてください。このブログで紹介したいと思います。

今日の曲は、Max Graham vs. YES - Owner Of A Lonely Heart


最後までお付き合いいただきありがとうございます。
もしよかったらコメント残していってください。
よろしくお願いします。

日本一の投資家、竹田和平が語る強運学 File#645

Wahei Takedaこの方、「タマゴボーロ」で有名な竹田製菓の代表取締役(2006年現在)で、112社(2007年8月現在)の上場企業の大株主であり、日本を代表する実業家であり、日本一の個人投資家です。







今日はその
竹田和平の強運学 − 
日本一の投資家が明かす成功への7つの黄金則

を紹介します。

と、その前にちょっと気になるお知らせ。
秋田県のキャッチコピーの応募がまもなく締め切りです。8月29日現在の応募総数は325点とまだまだ少ない数なので当選の可能性は充分にあります。優秀賞には賞金もあり、これは見逃さずにはいられない

詳しくは、秋田ローカルニュース(ネタ)を毎日お届けしている、「秋田たいむず」 で、チェックください。今年は、秋田県が暑い!いや、熱いっ!

■■■
結果より、まずは何事もプラスイメージで臨む。たとえ、徒労におわっても、成功を勝ち取るための法則をどこかで吸収しているはずだ。わくわくできるなら、絶対にツキは呼び込める!
前向きに行動すれば良い運(ツキ)が育ちます(やってきます)。
そもそも落ち込んでいる人というのは、思い悩む時間があるから落ち込んでしまうのです。同じように、怒るという感情は、自分の体に毒をためていることです。毒蛇は、怒りによって毒をつくっていると聞いたことがあります。怒ること、イコール体内で毒を精製することならば、やがて毒が溜まったら病気になって死んでしまいます。
長者番付常連の斉藤一人さんも同じことをおっしゃっています。笑う門に福来る。
目先の状況だけで、すべてを判断してしまうこと。これが危険なことなんだ!
まったくその通り。経験者は語る。
上昇思考がないから、消費欲望もない。だから景気は良くならないし、世の中にも活気が出てこない。安いものは買うけれど、高いものは買い控えてしまう消費行動を見ても明らかでしょう。(中略)ヘンな倹約意識が、結局、お金の貯まらない一番の原因なんですよ。やはり、メリハリのある消費は必要だと思いますよ。
年齢とともに上昇志向失くしそうになっていませんか。なんて自分に言い聞かせてます。
くやしい思いは、くやしさで返してはいけません。悪い連鎖は、あなたのところで絶ってしまいましょう。負のエネルギーの強いところには、ツキだって寄り付きませんからね。
環境は自分でつくるものです。竹田氏の一番の教えは、すべてに感謝です。ありがとうは有難う、つまり奇跡と同じ意味の言葉です。この言葉を発すれば、ちょっと不思議が返ってくるとおっしゃっています。最後に本文最後から。
ありがとう。ありがとう。きっと明日もいいことがある。
ぜひ、試してみてください。そうすれば、あなたもうまくいく。
ありがとう。ありがとう。毎日が幸せな気分です。
今日もありがとうが返ってきました。だから私はうまくいく。
本当にありがとう。心からありがとう。ありがとう。ありがとう・・・・。
なんだか運が育ちそうです。
■■■
今日の曲は、Pat Metheny and Michael Brecker - Every Day I Thank You

元マイクロソフトのスーパーウーマン File#605

先日ハワイ在住のシンガーソングライターがやってくる!File#55 で紹介したミュジシャーンのEicaさんのCDが発売されました。EicaさんのBlog、E's Space にぜひアクセスしてみてください。ハワイが好きな方にもお勧めです。

■■■
今日は マイクロソフトを飛び出して億万長者になった、私 の本を紹介します。Christine Comaford-Lynch
著者クリスティン・コマフォード・リンチの半世紀を綴った本で、
両親の離婚をきっかけに家出し、高校にもなじめず、25歳までフリーター生活を送る。学歴もなく、お金もなく、コネもない。そこで一念発起でマイクロソフトに派遣社員として入社する。高校中退のSEは同社初だったらしい。そこから徐々に力をつけ、数年後にはマイクロソフトで働きながら。副業として人材派遣会社を立上げる。その会社が軌道にのると、マイクロソフトを辞めてITコンサルティング会社を設立したい、複数の企業のCEOになり。40歳でセミリタイヤする。
というサクセスストーリーなのですが、一方で失敗談などを赤裸々に告白しているところがリチャード・ブランソンの本に相通ずるものを感じました。

仏教の新興宗教にハマったり、ビル・ゲイツと一夜過ごしてフラれたり、芸者修行に挫折したり、世間からバッシングを受けたり、父親の死、友人の勤める死体安置所で出会った女性の死体との出会いなど実に深い人生を送っている女性です。よくあるうわべだけの成功話で終わらず人間としてどういきるべきかを教えてくれる本です。


■■■
本の中からちょっといい言葉をピックアップしてみました。
「すべてはイマジネーションから始まる。それは、これから引き寄せる未来の予告編ななのである」 by アインシュタイン
ゴールが想像できないマラソンは苦行でしかないんですよね。
目標が一つでも達成できたら、すぐに書きとめよう。そうすれば、つらいときでも少しずつ前進していることを実感し、モチベーションを維持することができる。
モチベーションは前向きな思考だと思い勝ちですがうまくいったことを振り返ることも力にしてくれるんですよね。
チャンスが転がりこんできたら、思い切ってつかもう。準備万端でなくでも、走りながら考えればいい。
次来る電車の時間がわかっていれば急いで乗る必要もないけど、次いつくるかわからないような電車を待っていると、もしかすると先に出た電車が最終電車かもしれない。
キャリアと人生を切り拓くためには人脈も必要だ。
・エネルギー⇒人脈(人付き合いにエネルギーを注げば、人脈ができる)
・人脈⇒アクセス人脈が出来れば、情報にアクセスできる)
・アクセス⇒影響力(情報にアクセスできれば、影響力が増す)
そして影響力が増せば、成功できる。成功している人は皆、この連鎖反応がよく分かっている。
 世の中には人付き合いを大事にしてない人が多い。そのくせ、誰も助けてくれないと文句を言う。助けてくれるわけがない!人間関係ができていないんだから。
年賀状やクリスマスカードが人脈と勘違いしていたら駄目だ!
見返りを期待せずに与えよう。(中略)私たちは善いことをしたいと思いながらも、自分にこう言い聞かせている。「お金持ちになったら寄付しよう」「今はいろいろと大変だから、時間ができたらボランティアしよう」そして、仕事に明け暮れる。成功したらしたで、もっといい車が欲しくなるし、もっと大きな家が欲しい。稼いだ金は人にやりたくない。で、その結果どうなるか?結局何もしない。金や成功は目を曇らせる。だからこそ、駆け出しの頃から社会貢献を心がけるといい。ボランティアを生活の一部に組め込めば、地に足がついた日々を送ることができる。
今日から何か始めよう。

いろいろと元気になれる本です。起業したいと思ってる人にはお勧め。それにしても女性はたくましい。

ということで、今日の曲は Karyn White - Superwoman




後記:今日はネリマーケティング研究所リトル研究員の誕生日です。彼女はただいまトランポリンに夢中です。

ジャック・ウェルチのスピーチライターと立教大学教授の「聞かせる技」 File#595

北京オリンピックも残り僅か。日々熱戦が繰り広げられてきましたが、昨晩の男子400mリレーと一昨日の女子ソフトボール決勝にはひときわ感動しました。

特にソフトボール決勝戦、上野投手が最終回の最後の打者をアウトにした瞬間、TV解説をしていた宇津木妙子元監督の「ヤッター!」という歓喜の声。シドニー、アテネ両五輪で残念ながら金メダルを取れず、後進に監督をまかせ、総監督として一歩離れた場所から選手の育つところを見てきた。そんな同氏の「ヤッター!」という一言には長年の夢がようやく叶ったという安堵と達成感の気持ちが見る側にも伝わってきて、思わずグーッと来た瞬間でした。(エドはるみではありません。)

■■■
今日紹介する本は、世界最大のコングロマリット(複合企業)GEの元CEO ジャック・ウェルチの専属スピーチライターが書いたウェルチの「伝える技術」 と 立教大学の教授が書いた聞かせる技術です。


ジャック・ウェルチは伝説の経営者と呼ばれるビジネス界のカリスマです。基本的な経営手法はリストラによる資本力の建て直し。会社を守り、人材を守らないことから、「建物を壊さずに人間のみを殺す中性子爆弾」の特性になぞらえて“ニュートロンジャック”とのアダ名がついたくらいです。(出典: ウィキペディア)
20年以上、ジャック・ウェルチのスピーチライターをつとめたビル・レーンがGE時代を振り返り、スピーチ力とプレゼンテーション力がGEでいかに求められていたかを書いた本です。

その中からスピーチ前のチェックポイント。
・相手の立場に立って、役立つことは何なのかを考えたか?
・プレゼンテーションが、相手のニーズに応えることを趣旨をしているか?
・プレゼンテーション開始から1分以内に、相手が自分の話に耳を傾けているか?
・不要な詳細、わかりにくい頭文字、流行の専門用語はすべて削除したか?
・図表はすべて必要なのか?相手の顔を見つめながら話す時間を作っているか?
・文字や数字は、出席者全員から見えるのか?
・重要な部分を削らずに、もっと短くすることはできないか?
・リハーサルはしたか?尊敬できる人に見てもらったか?彼らの見解を取り入れて修正を加えたか?
・やっつけ仕事をしていないか?
・自分のスピーチが相手の心をつかむことを確信できているか?
なかなか簡単にできることではありませんが何度も何度も内容を詰めて練習と場数を踏むこととアドバイス。

ジャック・ウェルチがどれだけスピーチを大切にしたか、そして企業の中で人に伝える能力がなけえばいけないというジャック・ウェルチの信念と共にGEでの出来事を混ぜて書かれています。日本では多分考えられないと思うのですが、ヘタなスピーチをする社員(管理職)は翌日にクビにされるということなど。アメリカの競争社会で生き残りのために変化と拡大を続けるGEの側面が描かれています。ただやたらとゴルフに行ったことやゴルフをプレイしながらなどという話が多いというのもアメリカ企業ならではと思いました。

■■■
もう一冊の立教大学の山口義行は「聞かせる自分」をどうつくるかというテーマを身近な内容でわかりやすく書いておられます。

人はなぜもっと聞きたいと思うのか。
足不知後然学
(学んで然るのち、足らざるを知る。)
つまり、何かを知るとそのことでかえって自分の知識不足を思い知らされるようなシチュエーションです。聞き手の「知的欲求」という動機が潜んでいるからです。ストーリーのわかる話はベテラン落語家のように話術の力量がなければ最後まで聞こうという欲求はうまれてきません。ドラマや映画あるいはマンガは最後までどうなるのかわからないとなかなか視聴者の関心はひきつけられません。

聞き手が理解できる距離、半径1メートルの世界を聞かせるということもテクニックの一つだといいます。相手の関心ごとと自分が聞かせたいことの接点を見つけるということです。

例えば、身近な人間ドラマは誰にとっても身近な関心事です。オリンピックに出ている選手やチームのメダル獲得までの背景を知っていると何も知らずにメダルをとった試合の結果だけを知るのとは感動の仕方が違うでしょう。

ほかにも「聞かせる」ための手法などが書かれていて役にたちそうな一冊です。

余談ですが、400mリレーの朝原宣治選手は昨年夏の世界陸上大阪大会後、年齢を考慮して引退を表明。でも奥さんの「後悔しないようにやってみたら」という言葉で北京への再挑戦を決断したそうです。夢を捨てなかったからこそ予選での幸運な出来事も手伝い、今回のメダルにつながったんでしょうね。夢は諦めなけれればいつかは実現できるっていうことを証明されました。

■■■
今日の曲は、Tevin Campbell - Can We Talk

リチャード・ブランソンのロックな生き方 File#565

年間40億ポンドの総売上高を誇るヴァージン・グループの創始者であり会長のサー・リチャード・ブランソン。

1970年にレコード通信販売会社「ヴァージン」を設立し、世界の6大レコード会社に数え上げられるまでに育てた。

1984年には「ヴァージン アトランティック航空」を設立。

さらには、インターネットや携帯電話事業といったIT分野への進出も果たす。

その一方で、社会奉仕活動にも積極的に参加。青少年育成キャンペーンや、自らが創始者の一人となった「ヘルスケア財団」を通じてエイズ撲滅基金への協賛もしています。

熱気球による世界初の大西洋および、太平洋横断を成功し、冒険家としても知られていたリチャード・ブランソンは、2000年に英国エリザベス女王より”ナイト”の称号を授かり、サー・リチャード・ブランソンとなった。

僕の成功に秘密はない。ビジネスに決まったルールなんてないのだ。僕は単に、いつも一生懸命働き、必ずできると信じてきただけだ。だが、たいていの場合は同時に、やていることを心から信じている。働くことがストレスの源泉になっては駄目だ。毎朝、疲労感とともに目が覚めるなんで、そんなの意味がない。楽しいという気持ちは、肉体的にもスピリチュアルな面からも刺激的で、人間をリフレッシュしてくれるおのだ。笑い合うこと、愛し合うこと、そしてお互いに感謝すること、これらこそ人生そのものだ。

好きなことを一生懸命すれば人生拓く!って思うけど何を好きになるか見つけ出すのが本当に難しくなったような気がする。小さい頃は限られた中で自分の好きなことに没頭することができたけど、大人になれば妥協や打算、あるいは継続できないことで見失ったり忘れたりする。

世の中情報が氾濫する中でいろんなことが自由にできるようになった分、本当に好きなことが何か気付くことが難しくなっているように思う。

洋服を買いに行っても種類がたくさんありすぎると選べなくなる。でも成功しているユニクロはそれをうまくコントロールしているように思う。色は豊富にそろえているけど種類は限られている。だから皆んなふらりと立ち寄って、買い物していくのだろう。

自分自身でコントロールできない賭けは選ばない。

宝くじや博打で勝負しちゃだめ。勝っても価値がない。

安易な人生を選ぶ人は、勝利をつかみ取るという意味を、一生知ることはない。

それでもいい人は山といる。でもそれでいいのかと思って一歩出るところから本当にその人の力量が示される。

未来ばかり見つめて生きることは、過去だけを見て生きていくのと同じくらい無意味なことだ。未来のことばかり考えて生きている人は、満ち足りることは決してない。(中略)僕の手帳の予定表は常に数ヶ月先までびっしり埋まっているけれど、生きている今という瞬間を「行き切る」こともまた大切だということを、僕は経験を通して体得することができた。

要は夢ばっかりみてても、過去の栄光にひたってても何にもならないってこと。

「お金は何かを起こすためにあるもの」

お金を使う前に何に使うのか考えること!

今日のお勧め本は、
僕たちに不可能はない
とにかくリチャード・ブランソンの波乱万丈なビジネスと冒険人生が描かれた裏も表もないおもしろーい、元気の出る本でした。ちなみに今度は息子と一緒に南極横断するみたいです。ヴァージンは宇宙旅行もプランしているし、環境問題にも取り組んでいて今後も引き続き目が離せない!

リチャード・ブランソンと同じ人生を送れないと思うけど、彼のスピリットは学べることがたくさんあると思います。

ハワイ在住のシンガーソングライターがやってくる! File#555

今年4月から「運を育てる」をテーマに書籍や音楽をベースにブログを書いてきました。そんなところ、ハワイ島在住のシンガーソングライターのEicaさんと知り合いになりました。今日はEicaさんの曲を紹介させていただきます。
Eica - Anata

その他のEicaさんの曲はこちらのサイトでチェックできます。 http://www.myspace.com/eicamusic このEicaさんが今月来日(帰国)して、下記スケジュールで埼玉と都内でライブを行います。

■8月9日(土):「うた工房の夜 第3夜」(埼玉県東松山市)
 オープン:15:30 スタート:16:00
■8月10日 (日):Miiya Cafe(銀座)」  
 オープン:18:30 スタート:19:00
 出演時間/Eica:21:15

今月からは、以前わたしのBlogでも紹介したKohara(コハラ)※のチャールズ・ブロットマン氏がCD制作のプロデュースをされるそうです。すごいですね。※わたしの大好きな3人組のアコースティックバンド。スラック・キー・ギターのコンピレーションアルバム『SLACK KEY GUITAR~VOLUME 2』が、グラミー賞の「ベスト・ハワイアン・ミュージック・アルバム」部門を受賞。Slack Key Guitar Volume 2
そこで今回、インタビューというわけにはいきませんでしたが、Eicaさんからメッセージを頂くことができましたので紹介させていただきます。

<Eicaさんのプロフィール>
幼い頃から音楽家のお父様の影響で洋楽(ポップ、シネマ音楽など)を聴いて育ったそうです。中学から高校時代にかけて、ピアノ弾き語りを始められ、19歳の時に才能が認められ、スカウトされて上京。バンドのボーカルとして、ライブ活動を開始。しかし、22歳の時に、音楽活動を休止することに。23歳の時、心機一転、渡米。昨年、音楽活動を再開。作詞・作曲・ピアノ弾き語りを始め、今年から本格的にハワイと日本でのライブ活動を開始。

ご本人談、
今までの自分の生き方を振り返ってみたんですが、とにかく、私は妥協する事が嫌いなんですね。

若い頃から、いろいろな事に興味があった分、回り道もしてきたわけですが、例えば、高校を卒業した後、バンド活動を優先するため上京し、結局音楽に専念するため専門学校も中退しました。

その事は、渡米した後もずっと後をひきまして、カレッジに入学。カレッジでは、美術を専攻しました。卒業証書を手にしたのは2002年と遅いのですが、やり遂げた事への充実感がありました。

23歳、渡米した頃から音楽とは無関係な生活をおくってきたのですが、去年、ふとした事で、やはり自分には音楽しかないという事に気がつきまして。音楽制作活動を始めました。自分と音楽の距離があまりに近すぎて、今まで見えなかったのかもしれませんね。(笑)

私、思うんですよ。好きな種を見つけた時、その種を蒔いてみる前に、その芽をちゃんと刈り取る事ができるかどうか。つまり自己責任ですね。この事さえ、自分でちゃんと自覚していれば、自分の求めるものをどんどん追求していくべきだと思っています。(妥協する事なく)時間を忘れる程、自分がのめり込めるもの。

それは、きっと魂が求めているものですね。それだけに、やり遂げた時は、自分にとって大きな収穫となります。自分でそれを見つけ、それに向けて進んで行くんだと決めた時、あなたの周りのすべてが動き出します。不思議なものですが、私もそれを体験してきましたし、今も体験しつつあります。私の音楽活動、私がやめない限り、ずっと続いて行きます。すべて自分自身にかかっていますね。私の大好きな言葉、「Follow your bliss」、つまり自分を幸せで満たしてくれるものを追求せよ、という意味です。これは、私の生きて行く上でのモットーでもあります。


Eicaさんがおっしゃる自己責任、何か普段の生活でもビジネスにも通じる言葉だと思います。やりましょうと声をかけた本人でありながら途中で辞めたり、手広くやりかけたけど結局また新しいことに興味が移り、ほかのことに手を出してしまう。

自分のことになってしますまが、野菜作りも種まきと最初の収穫は楽しいのですが、それが少し怠けてしまって手入れをしないでそのままにしておくと、虫に食われたり、病気になったりしてしまいます。逆に育ち過ぎると今度は食べきれなくなって捨てたり、腐らしてしまったり、いかに計画して収穫するかを考えないとただの土いじりとなって時間浪費となってしまいます。

でも、Eicaさんがいうように、本当に好きなことを見つけたらとことんやってみることでしょう。だから運が育ち、夢が叶うのだと思います。

一期一会という言葉がありますが、今回思いました。ワンクリック, ワンページビューで、遠く離れた見知らぬ人と貴重な出会いが可能だということを。

Eicaさん、貴重なコメントありがとうございました。そしてライブと今後の音楽活動頑張ってください。

南フランスに渡った若き日本人シェフの挑戦 File#545

2007年11月20日、『ミシュランガイド東京日本語版2008』が発行され、東京でミシュランの星を獲得した店が誕生したのは記憶にまだ新しいところです。

いま、ネリマーケティング研究所ではミシュランに勝るとも劣らない自慢の食が(マイ)ブームです。

月曜日ちょっと早起きして、バケツとはさみを持って近所の畑まで散歩、真っ赤に熟した新鮮トマトを山盛りに収穫。家に持ち帰って、水でサッと洗って、それを細かくきざみ、氷と一緒にミキサーにいれてスイッチオン。上蓋を押さえてジュースになったら出来上がり。お好みで塩をいれて、ライムを搾るとすっきり喉越し。これが、今週の目覚めのジュースの定番です。

プチトマトは、包丁で小さく刻んで砂糖に絡め、ヨーグルトにいれてトッピングにハーブの葉っぱを一枚のっけるとこれまたほどよいスイーツに変身。軽くトーストしたパンと一緒にたべたら、おいしいブレックファースト。う〜、これはちょっとはまる〜ぅ。

やっぱり、自分で作ったものは安心して食べれるし、畑でとってすぐ食べるのはお店で買うのとは違って本当に甘くておいしい。今年のトマトの出来はよく、もう自画自賛。

美食の街、フランス・リヨン市から100キロのところにあるSt.Bonne Le Froiという小さな村のオーベルジュ、Clos des Cimes (このお店のサイトにあとでアクセスしてみてください。どんな場所にレストランがあるか感じることができます。)のオーナーシェフでキノコの魔術師と呼ばれるフランスの料理人レジス・マルコンは言う、
「テロワール(大地・地方)という言葉は農産物を育む自然や人間と切り離して考えることはできない。誰が子牛を育てているのか、誰がワインのブドウを栽培しているのか、手づくりの姿が見えることが大切なのだ。(略)」
そんなマルコンのお店は今年ミシュランの三つ星に選ばれました。

そのマルコンの店に修行に来ていた若干20歳の日本人が、料理の本場フランスで、わずか28歳でミシュランの星を獲得した松嶋啓介の物語を読みました。
「情熱のシェフ-南仏・松嶋啓介の挑戦」


小学生の頃、母親に買え与えられたコロンブスの伝記漫画を読み、コロンブスに憧れ、大海原に乗り出して海外に出て行く自分の姿をイメージしたといいます。
人とは違うルートを開拓しようとして船で西へ向かったコロンブス、人とは違うことをやらないと価値がないということを学んだ気がする。
中学校時代にはJリーグの誕生でサッカーに目覚め、少年時代にブラジルに一人で修行して一躍時代の人になった三浦カズが新しいヒーローになり、高校は1年先輩に後にJリーガーで日本代表にも選ばれた久保竜彦選手がいた学校に進学。未経験でサッカー部に入部したものの、卒業前には自分の力量を知り、サッカーを職業にすることを諦め料理家を目指す。

ケイこと松嶋啓介シェフ曰く、今も心に残るという高校時代の久保先輩らの言葉は
「夢、計画、実行、単純で簡単な言葉だけれど、実際にこのサイクルを実行するのはとても大変だぞ」「でも夢があるなら、その夢に対してしっかりと計画を立てて、それを実行すれば夢は必ず叶うから」
という。

ケイが他の人と違うのは、誰とでもすぐに仲良くなる彼のコミュニケーション能力と料理への情熱と努力だと色んな人が言う。そして何より自分が目指した道で出会った人々から教わったこと、見たことを学びとる力がすごい。年上の奥さんとの出会いと家族の協力と理解が壁にぶち当たったときの助けになり、お金のない若者が腕ひとつで一つ星がとれるお店になるまでの苦労と幸運に出会うまでの話は五つ星です。まさしく運を育てて、夢を叶える物語はお勧めです。
「レストランで提供する料理をつくるときに、もっとも大切なのは何を食べさせたいのかいうことです。新鮮な素材が手に入った場合、味を足しすぎると何を食べているのかわからなくなります。皿の中の味覚を整理して、シンプルかつバランスが取れて、食べ終わった後でお客様でお客様が何が美味しかったのかを自分の『言葉』で表現できることが大切です」
とケイ(松嶋シェフ)はいう。

ケイと同世代の顧客であり友人のF1ドライバーの佐藤琢磨がケイのお店にサインを残している。
No Attack, No Chance
ちょっと二人ともカッコよすぎじゃないですか。

・・・・・・・

ということで、今日は同じバンドから2曲
Supertramp - Breakfast in America


Supertramp - The Logical Song


よかったらコメント、リクエスト残して行ってください。

野茂秀雄の引退 File#512

7月17日は、日本三大祭りの一つ京都の祇園祭のクライマックスでした。祇園祭は山鉾を飾り、祇園囃子を奏でて祭りの雰囲気を盛り上げる祭りの見せ場である山鉾が京都市内を巡行するのです。祇園祭の古くは疫病退散、厄除けを祈願して行われる夏祭りです。

そんな夜、一つのショックなニュースが飛び込んできました。

野茂秀雄の引退です。http://ballplayers.jp/nomo/

野茂は日本人選手がいま大リーグでプレイできる道を作った選手です。自分のスタイルを崩さないで、誰も踏み込まなかった世界にチャレンジし、最後まで不撓不屈の精神を貫いた男です。野茂が当番する試合はダイナミックで三振かホームランかというぐらい力の勝負でした。

初勝利口下手で愛想もよくないという評判がありましたが、野球に取り組む姿勢は他の選手の手本だっと聞きます。メジャーリーガーでそれなりの実績ができれば、年収を上積みしようとする選手がほとんどの中、彼はそんなに多額にお金を求めず自分の好きな野球ができることに喜びを感じていたようです。ファンからするとそんな実直で不器用さがまた心憎くかったのです。

イチローも松井もすごいのでしょうが、チームの枠を超えて全米を魅了したのは彼ぐらいでしょう。ちょうどメジャーデビューしたタイミングで私はアメリカにいたのですが、片田舎にいってもトルネード、ドジャーブルーの16番の背番号のユニフォーム、日本人をみると野茂の投げ方を見せるアメリカ人に会うくらいの人気でした。

活躍していたころに自分もアメリカにいたこともあり、節目節目で勝手に自分の人生と彼の活躍をダブらせ励みにし、最後の最後まで気にしていた選手でした。マイナーに落ちたときもベネズエラの野球に参加したときも球団ホームページで試合をチェックしていつまた復活するのかと思っていました。今年久々にメジャーに再復帰と聞いたときは、人間あきらめなければやりたいことはできるのかと考えさせてくれました。
オールスター
でも正直、昨日の引退ニュースを聞いて何か気が抜けてしまいました。野茂が日本人で初めてメジャーリーグのオールスターに選ばれた試合の舞台になったのはレンジャーズの本拠地アーリントンスタジアム。そんなことでちょうどオールスターの試合も行けるチャンスもあったのですが、結局あの時仕事で行けなかったのが残念です・・・

今日はそんな当時現地でよくかかっていた曲でノスタルジックに浸りたいと思います。


Bonnie Raitt - I Can't Make You Love Me
ピアノはBruce Hornsbyが演奏しています。


Restless Heart - When She Cries 

世界が認めた日本人と岩手の中小メーカー File#485

今年3月、ジュネーブ・モーターショーで注目を集めた超軽量スポーツカーを作ったのは岩手の中小メーカーでした。今日はこの中小メーカーをメジャーデビューさせた人物を紹介します。

ピニンファリーナ社デザインディレクター、ゼネラルモータース社チーフデザイナー、ポルシェ社デザイナーを歴任。フェラリー限定生産の記念車、エンツォ・フェラーリからマセラティー・クアトロポルテ、家具、ロボット、テーマパ―ク等数多くの工業デザインを手がける知る人ぞ知る世界的デザイナーの奥山清行氏。

ジュネーブ・モーターショーには、炭素繊維とアルミ素材を使った超軽量のスポーツカー(写真上の車)を発表。この車ができるまでの話がTVでありました。
K.07 & K.08


奥山氏は生涯組織人ではなく、自分の力で世界にチャンレンジするためにピニンファリーナ社を退社。

自分の出身である東北の技術が世界に通じると断言し、そして地元企業を選択。選ばれた企業は「あの世界の奥山」がまさか自分たちと一緒に仕事するなどとは夢にも思わなかったと、最初に会ったときは、サインをもらおうかと思ったらしい。

そんな今回のモータショーに出すためにデザインした1台の車は、素材を生かした日本の伝統食であるお寿司をコンセプトにして開発。素材の美しさをそのまま生かすということで、一切の塗装なし、曲線のあるアルミの車体は0.2ミリ以下の誤差までに抑えられ技術の限界に挑戦。

業界初の試みの中、人一倍責任感の強いチーフエンジニアが1人、連日連夜アルミと戦い、弱った体を点滴を受けながらパーツを作り上げるという内容。

優秀な作品ほど出来るまでに必ず大きな壁にぶち当たるといいますが、ここでも同様に、制作アクシデントにみまわれ、出展用撮影どころかモーターショー出展そのものに間に合わない事態になってしまった。

何ヶ月もかかった作ってきたものを1,2週間でやりなおさないといけない状況となり、チーフエンジニアは納期にあわせることを最優先としてメッキ塗装で見た目をほとんどわからないまでのパーツに仕上げることを選択。

しかし、奥山氏はチェックの段階でその話を聞き、それでは元々発表してきたデザインのコンセプトと異なるし、消費者を騙すことになり、結果的に会社の信頼をもおとしてしまうと即却下。

苦渋の末、もう一度はじめから一枚のアルミを再度加工することに。

今度は自分の部下とタッグを組みながら、一枚の何畳もの大きさのアルミをプレス機械で微妙な調整を何度も何度も繰り返しながら、可能な限り手作業の部分の仕上がりがうまくいくように最初の一歩の工程を大幅に見直したのでした。

この策が功を奏して、何とか納期に間に合い、念願のモーターショー出展が実現。

出来上がった車は、TVで見ただけでも乗ってみたくなる車の仕上がりで、実際にモーターショーのプレゼン後、各社から賞賛の声が飛び交い、取引の問い合わせやが相次いでいた。

本来であれば世界の奥山の作ったスポーツカーとなるのでしょうが、この番組を見ると、どんなに優れたリーダーがいてもそのリーダーに着いて行くだけの能力と職人魂を持つエンジニアがいなかったらできなかったプロジェクトだったと思わせる内容でした。(ただ全く表に出てこない会社のオーナーの存在はちょっと気になるところでした。)

そういう意味でも番組としては、「地方企業で働くエンジニアのメジャーデビューへのチャレンジとそれを支えた謎の社長」といったタイトルなんでしょうか。

奥山氏のこれまの経歴をまとめた内容の番組が他にもYoutubeに上がっていたの、それを最後に紹介します。

前編 

後編 

巧みの技とアンビション File#445

今日はこの人と曲を紹介します。



元カシオペアのドラマー、神保彰(Akira Jimbo)氏演奏の Epoca Del Sol です。

昨年NHKのJ-MELOという番組に出演されたときのもので、たまたま私も見ていました。番組が終わってからもう一度演奏を聴きたいと思っていたので、自分にとってはYoutubeでちょっとした再会でした。

神保氏は約15年ほど前から自分でこのmidi trigger system というドラムを開発してきたそうです。実は私は余りこの方のことを知らなかったのですが、知るひとぞ知る日本では名実ともにトップドラマーであることが色々なサイトで書かれていました。

ドラムは本来Backingということで、演奏の後ろで支援するような役割だったのを、このドラムでメロディーとハーモニーが弾けることを可能したということです。

司会のmelody. との会話で印象に残ったのは、ソロドラムですべてこなせることを実現したことは "Strong Ambitious" があり、それに対して "Step by Step" に取り組んだこと、そして可能になった今は "Solo Player"として世界中でドラムの演奏の可能性を魅せたいとのことです。夢を大きく、そして、それに向かって前に進めば、きっと実現できるというメッセージともとれました。

番組上、曲の演奏前にこのドラムの特徴などの紹介がありますが、ぜひEpoca Del Solを聴いてみてください。ドラムがこんなにメロディックにたたけるとはちょっとグっとくるものがあります。

スティーブ・ジョブズというリーダー File#314

今日の一冊。
スティーブ・ジョブズ 神の交渉力 - この「やり口」には逆らえない!

今や言わずと知れたiPodを世に出した人物であり、Apple社の設立者で、一度会社を追われて、再びCEOとして復活したスティーブ・ジョブズの話。

Steve Jobs - Neri Marketing Institute
 ジョブズは太陽のようなものかもしれない。距離を置いていると暖かく心地よい。しかし近づきすぎると灼熱のエネルギーで燃やし尽くされて滅ぶ。
 巨大イベントで、ジョブズはハリウッドスターのように何千人もの観衆を魅了するが、会議室では、怒鳴り、服従させて指示を出す。ジョブズのエネルギーは、半径10メートル以上はなれている人々を熱狂させ、半径5メートル以内の人々を恐怖に陥れる。

神の交渉力というタイトルは少し大げさなのですが、夢を現実にしてきた男にまつわるエピソードに見られるスティーブジョブズの極端な交渉術と行動力を通じて、人生の教訓を学べる一冊です。何となく戦国武将の織田信長とダブるカリスマ性を覚えました。

本文中にあったちょっと深イイ、二つの文を残しておきます。
ピンチは嘆くこものではなく、乗り越えるべきものと考える人だけが、チャンスの入り口に立てるのだ。

お金は手段であって目的ではない。お金は、自分の夢を実現するために使うものだ。だが、凡人は「お金を貯める」という手段を、目的と勘違いすることがしばしばだ。


アマゾンの書評を少し見たのですが、ビジネスマンという枠ではなく日頃から注目されているプロスポーツ選手のように良いも悪いも対極の意見があるのもこの人の特徴なのでしょう。

今日の一曲、Buggles - Video Kills the Radio Star
livedoor プロフィール

青山ネリマ

訪問者数

    Twitter
    記事検索
    Archives
    Recommend
    • ライブドアブログ