2006 ワールドアスレチックファイナル の金メダル以来だ。
ここ数年、不調が続き、周囲からは引退の噂が広がっていたとも報じられていた。
しかし、本人には強い目的意識と精神の強さがあった。
まさに室伏にはこの言葉があてはまる。
志は、気の帥(すい)なりこうなれば、おのずから元気も気力も出てくる。また、その父の室伏重信氏のこんな言葉もある。
スランプは大切です。そこに陥らないと、人はなかなか自分を直そうとしたがりませんから。
体の合理的な動かし方を追求し続け、「背骨の6番目だけ動かす」という微妙な感覚まで身につけたという。
一方で、一般サラリーマンやOLは最近のストレスな仕事環境で体を壊す人が最近多い。
幸田露伴はこんな内容のことを書きのこしていた。
大切なことは、強い目的意識と精神力があるかどうかなんでしょう。
すべての病気というものは「不覚」のうちに生じて「自覚」で成り立つものである。
自覚しないときは、すでに病に冒されていてもそれに気がつかないが、
それを自覚すると病はたちまち勢いづく。
いいかえれば、もし病気にかかっていても自覚しなければ病気は存在しなのと同じであり、
また病気にかかっていなくても、それは自覚すれば病気になってしまう。
今やっている事に無関心になったり、興味が薄らいできたときに、外から強いプレッシャーがかかると風船のようにパンクしてしまう。
凹んでいるという精神状態は、言いかえるとスランプの状態で、結局、そこから元の状態に修復するには、自分の中にそれ以上の力となる支えがあるかどうかなんだろうと思った今日の世界陸上だった。