california raisins片道切符で渡ったアメリカ

冒険費用を稼ぐための仕事はメキシコ人労働者との果樹園における果実のもぎ取りだった。


Morzine不法労働が見つかり、強制送還は免れ、そのままヨーロッパへ。

苦労した末につかんだ仕事はスイス・モルジンヌ。それもできなかったスキーのパトロール

クレバスはじめての単独登攀(とうはん:登山で険しい岩壁などをよじ登ること)はモンブラン、氷河のヒドン・クレバスに落っこち、九死に一生を得た

 

 

 


ケニア山豹、野獣に脅かされ、ピッケル一丁を武器に登ったケニア山






Mt Aconcagua麓(ふもと)から15時間の速攻で一気に登った南米のアコンカグア





大部隊で登ったエベレストエベレスト
苦労せずに登頂できた成功が素直に喜べなかった。






アマゾン恐怖のどん底にあった60日間のアマゾンのイカダ下り





何がここまでさせたのか。

20代の冒険を綴った植村直己氏の本。

青春を山に賭けて (文春文庫)青春を山に賭けて (文春文庫)
著者:植村 直己
文藝春秋(2008-07-10)
おすすめ度:4.5
販売元:Amazon.co.jp
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■目次■
青春の日々
山へのプロローグ
アルプスの岩と雪
朝焼けのゴジュンバ・カン
マッターホルンの黒い十字架
アフリカの白い塔
忘れ得ぬ人々
アンデス山脈の主峰
六十日間アマゾンイカダ下り
王者エベレスト
五大陸最高峰を踏破
地獄の壁グランド・ジョラス

■今日の付箋■
どんな小さな登山でも、自分で計画し、準備し、ひとりで行動する。これこそ本当に満足のいく登山ではないかと思った。
もちろん単独の登山は、無謀にひとしいほど危険がつきまっている。人の意見も、とうぜん重視しなければならないが、その意見にしたがってばかりいては何もできない。人にいわれてやめるのではなく。自分で実際に直面して肌で感じとり、それでできないと思ったらやめ、できると思ったらやるべきではないか。

■感想■

生死の境をくぐり抜けながらも、一つの冒険が終わるとまた新たな目標に向けて果敢にチャレンジしていく植村直己のモチベーションが何だったのかなんてことを考えてこの本を読んだ。

後日、「冒険に理由をつけると、冒険でなくなっちゃう」という言葉を残されていたのを知り、思わず納得させられてしまった。

ただ言えるのは、山に登らなければその苦労もその喜びもわからないということでしょう。

植村さん曰く、
苦労が大きければ大きいほど、後でそれに比例した大きな喜びが返ってくるものなのだ。

そして、遭難しかかったときの文章にあった言葉。
私にとって、過去のできごとは、まったくの心の宝であった。
マッキンリーで消息を絶った植村さん、最後もきっとこう思っておられたのでしょう。


Tine Thing Helseth: Haydn Trumpet Concerto, 3rd mvt



こちらも参考までに。

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すかモチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
著者:ダニエル・ピンク
販売元:講談社
発売日:2010-07-07
おすすめ度:4.0
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最近読んだモチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか にはこんなことが書かれていた。

オリンピックで2大会連続金メダルをとったセバスチャン・コーは、「向上がわたしにとってのゴールだった。その結果得たメダルは、ゴール達成に対する最終的な報酬にすぎなかった」と話している。

「オーテリック(自己目的経験)」すなわち、フローという心理状態は、目標は自己充足的にあり、ロッククライマー、サッカー選手、競泳の選手、洞窟探検家に共通する。

一方で、自律性を重んじる冒険家は一種のアーティストやクリエイターなのかと思う。

米デザイン・コンサルタント会社、IDEOのTom Kelly氏 は、「クリエイティブな集団にとって、もっとも大切な自由とは、新たなアイデアを試せる自由である。イノベーションには費用がかかるのではないか、と疑っ てかかる者もいる。長期的に見れば、イノベーションは安価だ。凡庸に甘んじれば高くつく。自律性がこれに対抗する手段となるだろう」という。